介護職に応募したいけれど、「志望動機が思いつかない」「未経験でも大丈夫?」とお悩みの方もいるでしょう。特に30代・40代・50代の方や、未経験の方となると、どんな内容を書けば良いのか迷うかと思います。
本記事では、介護職の志望動機で悩む方に向けて、未経験者でも採用される志望動機のコツや、年代・経験にあわせたテンプレート、そして採用担当者が実際にチェックしているポイントを詳しく解説します。
最後まで読むことで、「志望動機が書けない…」という状態から抜け出し、年齢や経験に不安があっても自信を持って面接に臨めるでしょう。
年代・経験に関係ない志望動機の書き方3選

志望動機を書く際に、年代や経験に関わらず使える書き方もあります。
共通していても個性を出せる要素はあるので、把握しておきましょう。
冒頭は介護を志した理由から
志望動機を書く際は、最初に「なぜ介護を目指したのか」という理由から入ると、読み手に意図が伝わりやすくなります。
理由が曖昧なまま自己PRから入ってしまうと、動機の一貫性が見えにくくなるため、印象が弱くなりがちです。
たとえば、「祖母の介護をきっかけに関心を持った」や「ボランティアで高齢者と関わる中でやりがいを感じた」など、原体験や具体的なきっかけを簡潔に示すと、文章全体に説得力が生まれます。
冒頭で介護への思いを丁寧に伝えることが、魅力的な志望動機の土台になります。
自分の人柄や強みを表現する
志望動機では、資格や経験といったスキル面だけでなく、人柄や性格といったソフトスキルも重視されます。
介護職は対人援助が中心の仕事であり、思いやり・協調性・傾聴力などが、現場で非常に重要な役割を果たします。
たとえば、「周囲への気配りが得意」や「相手の話に耳を傾ける姿勢を大切にしている」など、具体的なあなたの性格を挙げると効果的です。
自分の強みを単に述べるのではなく、「その強みが介護の現場でどう活きるか」まで説明できると、採用担当者への説得力が増します。
利用者視点の考え方を盛り込む
介護職の志望動機において、利用者視点を持っているかどうかは非常に大きな評価ポイントです。
介護は「してあげる」仕事ではなく、「その人らしく生きることを支える役割」であるため、相手の立場に立つ姿勢が求められます。
たとえば、「相手の表情や変化に気づけるように意識している」や「利用者が安心できる関わりを心がけたい」といった視点を盛り込むことで、思いやりや共感力が伝わる文章になります。
採用担当者は、こうした視点を持つ応募者に対して、現場での対応力や信頼性の高さを感じ取るのです。
【経験別】介護職の志望動機の例文

ここからは、経験別に介護職の志望動機例文をご紹介します。
参考にしながら志望動機を考えてみましょう。
未経験・新卒
私が介護職を志したのは、高校時代の福祉実習で高齢者の方々と触れ合った経験がきっかけです。
初めての現場は緊張しましたが、感謝の言葉をいただいた瞬間、自分も人の役に立てるのだと実感しました。
未経験ではありますが、相手の気持ちを想像しながら丁寧に接する姿勢は、実習時から意識してきました。今後も学びを重ねながら、利用者の心に寄り添える介護士を目指してまいります。
介護未経験・社会人経験あり
前職では営業職として働いておりましたが、次第に「人に寄り添い、直接感謝される仕事がしたい」と思うようになり、介護職への転職を志しました。
営業で培った傾聴力や気配りは、高齢者の方との信頼関係づくりにも活かせると感じています。
まだ未経験ではありますが、資格取得を目指しながら誠実に業務に取り組み、現場に貢献していきたいと考えております。
人と関わる仕事の原点に立ち返り、長く続けられる職場で成長していきたい所存です。
介護経験あり・20代
私はこれまでデイサービスで2年間、介護職として利用者様の生活支援を行ってまいりました。
その中で特に感じたのは、日々の小さな変化に気づき、さりげなく支える力の重要性です。
これまでの経験を活かしつつ、貴施設の「個別ケアを大切にする姿勢」に共感し、さらなる成長を求めて志望いたしました。
今後はチームの一員として協力しながら、信頼される存在になれるよう努めてまいります。
【年代別】介護職の志望動機の例文

次は、年代別に志望動機の例文をご紹介します。
これまでの経験や、それぞれの年代だからこそ書ける要素を参考にしてみてください。
30代・介護職経験あり・男性
これまで特別養護老人ホームで3年間、介護職として勤務してまいりました。
30代となり、今後のキャリアや働き方を見つめ直す中で、より利用者様一人ひとりと深く関われる環境で働きたいと感じ、貴施設を志望いたしました。
これまで培ってきた身体介助や記録業務のスキルに加え、協調性と冷静な判断力には自信があります。
今後はチームリーダーとして職員を支える立場も目指しながら、質の高いケアを提供できる職員を目指してまいります。
30代・介護職経験なし・女性
30代に入り、長く続けられる仕事を考える中で、人と関わり、人を支える介護職に強く惹かれるようになりました。
高齢の祖母と接する中で、丁寧な言葉遣いやさりげない気配りが日々の安心につながることを実感し、介護を志したのがきっかけです。
未経験ではありますが、接客業で培ったコミュニケーション力や傾聴の姿勢を活かし、利用者様に寄り添った対応を心がけたいと考えています。
今後は資格取得にも積極的に取り組み、長く現場で活躍できる介護士を目指します。
40代・介護職経験あり・男性
40代になり、家庭との両立を考えた働き方の中で、地域に根ざした介護職に強く惹かれました。
親の介護を経験したこともあり、利用者の立場に寄り添える支援の大切さを実感しております。
これまでの人生経験を活かしながら、利用者一人ひとりに安心を届けられるような介護士を目指してまいります。
長く勤める意欲もあり、地域福祉に貢献したいという思いで志望いたしました。
40代・介護職経験あり・女性
訪問介護事業所にて約6年間、訪問ヘルパーとして勤務してまいりました。
このたび、施設での介護に新たに挑戦したいと考え、転職を決意いたしました。
これまでの経験で培ったのは、利用者様の声に耳を傾ける傾聴力と、些細な変化に気づく観察力です。
貴施設の「チームで支える介護」に魅力を感じ、現場の一員として丁寧であたたかみのあるケアを実践していきたいと考えております。
50代・介護職未経験・男性
長年、製造業で勤務してまいりましたが、定年を見据えて今後は人と直接関わる仕事に挑戦したいと考え、介護職を志望いたしました。
高齢の両親と接する中で、人の生活を支えることの意義を強く感じ、介護という仕事に関心を持つようになりました。
未経験ではありますが、真面目に取り組む姿勢と責任感の強さは、これまでの職場でも評価をいただいておりました。
今後は一から学び、利用者様の安心と笑顔を支えられる介護士を目指してまいります。
50代・介護職経験あり・女性
グループホームにて約8年間、介護職として認知症ケアに従事してまいりました。
50代という年齢ではありますが、介護は年齢を重ねた分だけ深みのあるケアができると感じております。
特に、言葉にできない感情を読み取る力や、利用者様の生活のリズムに寄り添う姿勢は、自身の強みと捉えています。
これからも体調管理に留意しながら、持ち前の穏やかさと柔軟性を活かして、利用者様が安心して過ごせる環境づくりに貢献したいと考えております。
介護職の志望動機が思いつかない理由3選

履歴書を前にして、どうしてもペンが進まない時もあると思います。そうした場合は、思いつかない原因を洗い出してみると良いでしょう。
ここからは、志望動機が思いつかないよくある原因を3つご紹介します。
いままでの経験が介護に繋がらないと感じている
これまで介護とは関係のない職種や専業主婦だった方は、自分の経歴が志望動機に活かせないと悩みがちです。
しかし、介護職では特別な経験よりも、人に対する気配りや協調性といった人間力が重視される傾向にあります。
たとえば、接客経験や子育てで培った観察力や共感力は、介護の現場でも大いに役立ちます。
大切なのは、経験そのものよりも、それをどう介護職に結びつけて語れるかです。
年齢や経験を気にしすぎている
30代・40代・50代と年齢を重ねると、「今から介護職を目指すのは遅いのでは」と不安を感じる方が多く見られます。
実際には、介護業界では幅広い年齢層の人材が活躍しており、年齢による不利は限定的です。
むしろ、人生経験を通じた落ち着きや柔軟な対応力は、利用者や職員から信頼される要素になります。
そのため、年齢を弱点ではなく強みに変えて伝えることが重要です。
未経験にマイナスのイメージを持っている
未経験者は、「知識もスキルもない自分では通用しないのでは」と不安を抱きやすい傾向があります。
ですが、介護業界は未経験者の受け入れにも積極的で、現場での丁寧な指導体制が整っている職場も多数存在します。
採用担当者は、経験よりもむしろ「学ぶ姿勢」や「仕事に対する熱意」を重視しているのです。
未経験であること自体は問題ではなく、その後の姿勢が評価されます。
介護職の採用担当者が見ているポイント4選

文章の出来ばかりを気にしてしまいますが、重要なポイントは採用担当者にどのように響かせられるかです。
ここからは、介護職の採用担当者が何を求めているかご紹介します。
なぜ介護を仕事に選んだのか
採用担当者は、「なぜ介護職を選んだのか」という動機に一貫性があるかを注視しています。
志望動機において、ただ「人の役に立ちたいから」といった漠然とした理由だけでは説得力に欠けてしまうのです。
たとえば、「家族の介護を通じて仕事として向き合いたいと考えるようになった」など、動機に具体的な背景があると評価されやすくなります。
介護職を選んだ理由は、応募者の価値観や姿勢を読み取るうえで非常に重要な要素なのです。
どんな介護士になりたいのか
採用担当者は、応募者がどのような介護士を目指しているかも重視しています。
将来像が明確な人は、目標に向かって継続的に努力できると捉えられるため、職場への定着にもつながりやすいと評価されます。
「利用者に安心感を与えられる介護士になりたい」や「認知症ケアを深めたい」など、具体的な目標があるとより好印象です。
自身の目指す姿を明文化することで、採用担当者に前向きな意欲を伝えられます。
職場や職員の雰囲気と合うのか
職場のチームワークを円滑に保つために、採用担当者は応募者が施設の雰囲気や既存職員との相性が良いかどうかを見極めようとします。
どれだけスキルや資格があっても、協調性に欠ける人材は現場の負担になりかねません。
そのため、志望動機の中に「チームで連携することの大切さ」や「職場見学で感じた印象」などを盛り込むと効果的です。
人柄やコミュニケーション力は、面接時の印象だけでなく、文章からも伝わる要素です。
介護に対する価値観はどうか
介護という仕事に対する考え方や向き合い方も、採用時の大きな判断材料となります。
応募者が「利用者の尊厳を大切にする」や「寄り添う姿勢を重視している」など、介護に対する価値観を持っているかどうかを見ています。
価値観が施設の理念と近い場合、職場への適応もスムーズになると判断されやすいのです。
単なる作業としてではなく、介護という仕事にどう向き合うかを示すことが重要です。
介護職の志望動機に魅力を出す方法3選

ここからは、あなたの志望動機にあなたらしい魅力を付け加えましょう。
実体験を踏まえたあなたらしいエピソードを添える
説得力のある志望動機には、実体験やエピソードが不可欠です。
たとえば「家族の介護をした経験」「施設でのボランティア」など、実際に人と関わった体験があると、応募理由に具体性が生まれます。
ただし、出来事を羅列するだけではなく、「その体験を通じて何を感じたのか」まで言葉にすると、人柄や考え方が伝わりやすくなります。
個人の体験こそが、他の応募者と差別化できる最大の要素です。
施設の方針と自分の価値観をリンクさせる
志望先の施設の理念や特色に触れると、志望度の高さが伝わると同時に、採用担当者への信頼感を与えることができます。
たとえば、「個別ケアを大切にする方針に共感した」「地域密着の取り組みに魅力を感じた」など、相手の情報に対して自分の価値観を重ねることが重要です。
受け身の理由ではなく、自分の視点を加えた志望動機は、採用側に「この人と一緒に働きたい」と思わせる力を持ちます。
他業種の経験がどのように役に立つのか明確に表現する
異業種からの転職であっても、過去の職務経験は介護職で活かせる場面が数多く存在します。
たとえば、接客経験はコミュニケーション能力として、事務経験は記録や報告業務で発揮できます。
重要なのは、経験の内容そのものではなく、それを介護の現場にどう応用できるかを明確に示すことです。
職務経歴に自信がなくても、視点を変えれば立派なアピールポイントになります。
介護職の志望動機を完成させる3つのコツ

「志望動機が完成したけど、イマイチ…」と感じた際は、今からご紹介するコツを活かして、満足のいく形に整えてみましょう。
読み手がイメージしやすい構成にする
志望動機は、「伝えたいこと」を一方的に書くだけでは不十分です。
読み手が理解しやすいように、「志望理由→強み→活かし方→目指す姿」という論理的な流れを意識しましょう。
この構成で書くことで、内容に一貫性が生まれ、読みやすく説得力のある文章になります。
採用担当者に「この人の考えは整理されている」と感じさせることが、第一印象にもつながります。
抽象的な文章になっていないか確認する
「人と関わるのが好き」「やりがいを感じたい」といった抽象的な表現だけでは、印象に残りにくくなります。
抽象的な表現を使う場合は、必ず具体例や背景を添えて補足しましょう。
たとえば、「家族の介護を通して、相手の小さな変化に気づくことの大切さを学んだ」など、実体験と組み合わせることで説得力が増します。
内容を読み返し、根拠のない抽象表現が多くないかチェックすることが大切です。
最後は声に出して読んでみる
文章として完成した後は、声に出して読んでみることで、表現の不自然さや言い回しのクセに気づきやすくなります。
面接でも志望動機を口頭で伝える機会があるため、声に出す練習をしておくことで、話しやすさや説得力も向上します。
また、声に出すことで自分の気持ちにフィットしているか、本心で語れているかの確認にもつながります。
書いて終わりではなく、「伝える準備」まで意識すると、より完成度が高まります。
介護職の志望動機に書かない方が良い要素5選

最後になりますが、介護職の志望動機に書いてしまうとマイナスの評価を受けるものがあります。
どうしても書きたい場合は、プラスに繋げられる要素を付け足すようにしましょう。
「なんとなく働きたい」などの曖昧な動機
「なんとなく」「手に職をつけたくて」などの漠然とした理由では、志望度が伝わらず、印象が薄れてしまいます。
採用担当者は、仕事に対する目的意識や熱意を知りたいと考えています。
たとえ小さなきっかけでも構わないので、具体的なエピソードや理由を交えて書きましょう。
曖昧な動機は避け、自分なりの思いや価値観を言葉にしましょう。
「給料がいいから」などの単純な動機
報酬は仕事を選ぶうえで大切な要素ですが、それだけを理由にすると「他でもいいのでは」と受け取られる恐れがあります。
介護職は感情労働が多く、やりがいや人との関わりが重要視される職種です。
そのため、金銭面の話題は避けるか、「家庭との両立を考え、安定した職を求めた」といった表現に工夫しましょう。
動機の中には、「仕事としての意義」や「貢献したい想い」を盛り込むことが重要です。
テンプレートのままな動機
ネット上の例文をそのまま使用すると、内容に個性がなく、「どこかで見たような文章」に仕上がります。
採用担当者は多数の応募書類を見ているため、コピーされた内容はすぐに見抜かれてしまいます。
例文はあくまで参考程度にし、自分の体験や気持ちをベースに書くことが大切です。
テンプレートを使う場合も、必ずアレンジを加え、自分らしさを表現しましょう。
前職に対する不平不満を含む動機
「人間関係が悪かった」「待遇に不満があった」などのネガティブな表現は避けるべき要素です。
過去の経験を否定する内容は、「また同じ理由で辞めるのでは」と不安に思われかねません。
退職理由を伝える際は、前向きな目的や新たな挑戦に焦点を当てた表現に切り替えましょう。
マイナスな感情は抑え、未来志向で伝えることが印象アップにつながります。
介護業界の現状を理解していない動機
「人と話すのが好き」「誰かの役に立ちたい」だけでは、介護職の厳しさや責任に対する理解が不足していると受け取られます。
現場では体力面や精神的な負担も多く、単なる理想だけでは務まりません。
志望動機には、実際の現場を見た経験や、現実的な視点を含めることが大切です。
介護の魅力と大変さの両面を理解し、その上で志望している姿勢が信頼につながります。
まとめ:介護職の志望動機は、実体験や価値観を落とし込む

介護職の志望動機は、ただ「やりたい気持ち」を伝えるだけでは採用に結びつきません。
本記事では、思いつかない理由を整理し、採用担当者が見ているポイントや、年代・経験を問わず通用する書き方のコツを解説しました。
例文や注意点も参考にしながら、自分の体験や価値観を言葉に落とし込むことで、より魅力的な志望動機に仕上がります。
年齢や経験を気にすることなく、「あなたにしか書けない志望動機」を大切にしてください。
当サイトでは、他にも介護にまつわるお役立ち情報を記事にしています。
気になる資格や見ておきたい情報がありましたら、ぜひこの機会にご確認ください。
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