
介護士として働き始めるけど、うまくやっていけるか不安。



お局がいるとか、よく聞くけど本当にいるの?
SNSなどで福祉関係あるあるを見て、介護の仕事に興味を持たれた方も多いと思います。
その中で「お局(おつぼね)」と呼ばれる方が存在しているのを見かけた方もいるのではないでしょうか?
嫌味ったらしい言い方をする姿で表現されていますが、実際はどうなのか。



私は「8割は共感」できます。
今回の記事では、そんなお局のリアルと介護業界にどんな影響を及ぼしているのか、ご紹介していきたいと思います。
- お局との関係を良好なものにしたい
- 嫌味や悪口を言われることに悩んでいる
こんな悩みをお持ちの方に読んでいただきたい内容となっています。
お局とは?
お局とは、職場で強い影響力を持ち、同僚や後輩に態度が大きく、口調が強い勤続年数の長い職員のやゆです。
もともとの語源は、大奥の位の高い女官を指す言葉でした。
介護の世界は男性介護士が増えてきていますが、まだまだ女性職員の割合が多く、どの事業所でもベテラン女性職員が主導権を握っていると言えます。



私は老健で5年、特養で5年勤務経験がありますが、どちらでも女性職員が現場を仕切っていました。
主任を男性職員が務めているケースもありますが、主導権を握るという意味では、女性のベテラン職員である「お局」なのです。
お局=ベテラン女性
ベテラン女性がみんなそうという訳ではありません。
現在は女性の割合が多いのでお局と言えば女性ですが、男性職員のお局も誕生してしまう可能性があるので、誰しもがそうならないよう注意が必要でしょう。
退職理由
ここで介護士の退職理由を見てみましょう。
厚生労働省の「令和4年度介護労働実態調査」の結果です。
1位 | 職場の人間関係に問題があったため | 28.4% |
2位 | 法人や施設・事業所の理念や運営のあり方に不満があったため | 22.5% |
3位 | 収入が少なかったため | 20.4% |
4位 | 他に良い仕事・職場があったため | 18.2% |
5位 | 自分の将来の見込みが立たなかったため | 15.0% |
6位 | その他 | 13.7% |
7位 | 結婚・妊娠・出産・育児のため | 9.8% |
このデータからでもわかるように、退職理由の1位は職場での人間関係に問題があったとしています。
もちろんお局の存在がそのすべてであるという訳ではありませんが、少なからず影響を及ぼしていると言えます。
なぜそう言えるのか。それは、私の10年の経験の中でもそうだったから。
事業所にもよりますが、現場を指揮してよりよい環境へと導くポジションにいるのは、主任やリーダーです。
しかしお局の指揮により、他の職員は誰に従えばいいのかわからなくなってしまいます。特に新人職員やこれから中堅になる職員です。
介護業界に興味や憧れをもって入ってきた方々を精神的に追いやってはなりません。



人間関係に悩み、職場を離れていった人たちのことは今でも忘れられないです。


お局に関する悩み実例


お局に関する悩みを、実際に経験してきたことや見てきたことをもとにご紹介していきます。
悩み1
新人職員のケース



主任から○○を頼まれたんですが、お局さんから先に□□をしないとダメじゃない。と言われます。
業務の優先順位は一旦不明にしておきます。*話と逸れるため
お局が指揮をとることに注目しましょう。
指示を出す方が2人になると、どちらの言っていることに従えばいいのかわかりません。
新人職員に、業務を効率よくすることを考えることは難しいです。
どちらの指示を聞けばいいのか迷った結果、どちらをしても怒られる未来が待っています。
そしてお局の意見に反すると、「あの子は仕事ができないね。」「まだ□□が終わってないの?」と嫌味を言われ、他の職員に告げ口や陰口を言い始めます。
そうなると新人さんは仕事ができないと印象付けられてしまいます。
悩み2
2,3年目の職員



主任から○○を頼まれたんですが、お局さんから先に□□をしないとダメじゃない。と言われます。
現場に慣れてきてある程度の効率と利用者さんの対応がこなせるようになると、他の業務や担当を任してもらえるようになります。
それは自分の力を周囲の人が評価してくれた証ですが、お局さんからの理不尽な丸投げがそれを邪魔してくるのです。
丸投げされた仕事をしないと嫌味を言われることはわかっていますが、せっかく任された担当業務を先送りにしては、評価されることが遅れてしまいます。
そうなれば、評価が上がらず仕事が遅い人となり、昇給にも響いてくる可能性が出てきます。
悩み3
中堅職員



悪口や陰口は言いたくないけど、お局さんからの同調圧力が耐えられない。
お局さんから「どう思う?あの子ダメよね」「ほんと仕事が遅いと思わない?」と同調求められることがあります。
同調すれば、「○○さんも言ってたよ」と悪口や陰口を言ったことを広げられますし、同調しなければこちら側にも嫌がらせが飛んできます。
言われている子は、「利用者さんの対応がしっかりできている」「こんな一面が職場の雰囲気を明るくしてくれている」そんな思いがあっても、なかったことにされることは避けたいです。
頑張っている姿を自分は理解していることが、嫌味や陰口で埋もれてしまいます。
お局がもたらす悪影響
介護現場はチームワークが非常に重要です。日々の業務を効率よくこなすためには、職員同士の協力が不可欠であり、円滑なコミュニケーションが求められます。
しかし、お局が起こす嫌がらせや陰口が、チームワークを乱し業務の圧迫や余計な緊張感を生んでしまうのです。
他の職員がミスをした際に過度に責めたり、批判的な言葉を投げかけたり、同僚が自分に対して意見を言った際に、わざとイジワルな返答をすることもあります。
特に若い職員や新しい職員が離職を考える原因になります。職場に対してポジティブな印象を持てなくなって、介護が嫌いになることにもつながるのです。
これが人間関係に困って退職するもとになります。
人間関係の改善


せっかく資格を取って、これから介護士としての生活が始まる方々に、人間関係で介護の仕事を離れてしまってほしくはありません。
しかし、お局や嫌味を言う職員がいることも事実…
「お局は嫌いだ!」「○○さんはウザイ!」と考えるだけではなく、相手に配慮することも必要です。
あなたが思い描いていた介護士としての自分を実現させるには、コミュニケーションの方法について考えてみましょう。
コミュニケーションを大切にする
- 挨拶や感謝は必ず言葉にする
社会人として当たり前のことですが、集中していたり忙しくしていると忘れがちになります。自分も周りも気持ちよく仕事ができるように心がけておくことが大切です。
- 自分の意見や思いは冷静に伝える
人は感情的に話をすると、相手への配慮を忘れてしまいます。感情的な話し方は不快に思われて相手も感情的にさせてしまいかねません。忙しくても落ち着いて、冷静になりましょう。
- 報告・連絡・相談は積極的に行う
分担して業務を行う介護にとって、とても重要です。「ささいなことかな?」と感じることでも、報告をすることは決して悪いことではありません。あなたが連絡してくれた内容が、重要なことだったと後悔しないようにしましょう。
相手の立場・思いを考える
- 相手の意見に耳を傾ける
自分の意見だけを述べるのではなく、相手の意見を聞くことも大切です。意見を聞くことで、真剣に考えてくれているんだと受け止めてくれます。その意見が対立するものであっても、折衷案はないか、他の案はないかを考えてみましょう。
- 俯瞰的に状況を見る
状況判断をするときに一方的な見方は誤解を生みます。第三者の目線で出来事を見ることで、今までとは違う見方が生まれて、状況が解決につながることもあります。
- 意見に共感する
自分と相手の価値観は違って当たり前です。年齢も違えば育ちや出身も違うのですから、「自分にはない意見だな」と捉えることで、相手の考えの背景が想像できるでしょう。


まとめ
介護業界の人手不足を解消するためには、職場環境の改善が不可欠です。
職場内でのコミュニケーションを改善し、職員同士の信頼関係を築いていきましょう。
たとえお局や嫌味な職員であっても関係の改善はきっとできます。
そしてあなた自身が嫌味な職員にならないよう心掛けてください。



あなたの介護士生活がこれからより良くなることを願っています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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